駅伝ひろば箱根駅伝を支える学生たちが書いてます

No.372

第30回「学びと感謝」

加納 咲楽

 駅伝ひろばをご覧の皆様、こんにちは!

 一般社団法人関東学生陸上競技連盟で常任幹事を務めております、早稲田大学4年の加納咲楽です。

 街はすっかりクリスマスムードに包まれ、年末の慌ただしさを感じる季節となりました。大学生活も最後の年を迎え、学連幹事として陸上競技の大会運営に携わるのも、箱根駅伝で一区切りとなります。

 振り返ると、この4年間、学連幹事での業務は新鮮なことの連続でした。初めての業務や責任の重さに戸惑う場面もありましたが、それ以上にやりがいを感じる瞬間が多く、いつしか学連幹事としての活動が生活の一部となっていました。日々の活動を通じて、大会運営に欠かせない細やかな準備や、多くの関係者との連携の重要性を深く学ぶことができました。

 中でも、関東大学女子駅伝対校選手権大会の担当を務めた際には、駅伝運営特有の難しさに直面しました。沿道を埋め尽くす観客の熱気や応援の声に圧倒されつつも、応援が競技に与える力の大きさを改めて実感し、大会運営の意義を深く考えるきっかけとなりました。

 これらの経験を通じて一貫して感じたことは、大会運営が多くの人々の支えと協力によって成り立っているということです。普段当たり前に目にしているコースや競技環境の背後には、多くの関係者の尽力があることを知り、その一人ひとりの存在と役割の大切さを深く学びました。この気づきは、学連幹事としての活動を通じて得られた重要な教訓のひとつであり、今後どのような場面でも活かせる大切な経験だと感じています。

 私が学連幹事になりたいと思ったきっかけは、幼いころから毎年楽しみにしていた箱根駅伝と、中高時代に体育祭実行委員を務めた経験でした。物心つく前から家族とともに観戦していた箱根駅伝は、私にとって特別な行事であり、選手たちの懸命な走りや大会の熱気に毎回心を動かされてきました。そして、中学・高校時代には体育祭の実行委員として、行事を支える側の喜びと責任を経験しました。その経験が、大学進学後に箱根駅伝を運営する学連幹事の活動に挑戦するきっかけとなりました。

 競技経験がほとんどない状態で飛び込むのは勇気が必要でしたが、この選択をしたことで非常に有意義な学生生活を送ることができました。高校卒業時にこの道を選んだ自分に感謝しています。

 また、同期の支えがなければ、ここまで活動を続けることはできなかったと感じています。同じ目標に向かって努力を重ね、悩みや喜びを分かち合いながら過ごした日々は、私にとってかけがえのない時間でした。同期は私を鼓舞してくれる存在であり、同期が全力で頑張る姿に触発され、私も自分を奮い立たせて努力をし続けることができました。一人ではくじけてしまいそうな場面も、同期と励まし合うことで前に進むことができ、この4年間を実り多いものにしてくれました。

 今大会の箱根駅伝では、鶴見中継所主任を務める予定です。鶴見中継所は住宅街の中心に位置しており、交通規制を計画する際には住民の皆様の日常生活や生活動線への配慮が欠かせません。そのため、住民の皆様のご理解とご協力なしには成り立たない中継所であり、その重要性を深く考える時間が多くありました。運営準備の中で「どのような意味があって人員を配置するのか」「それぞれにどのような役割があり、何をするべきなのか」を改めて考える機会を得るとともに、運営全体を俯瞰する主任の立場として多くの学びを得ました。

 箱根駅伝当日には、選手たちが最高のパフォーマンスを発揮できるよう、安全管理や競技環境の整備に全力を尽くします。また、観客や関係者の方々にとっても心に残る大会となるよう、一つひとつの業務に丁寧に向き合っていきます。

 最後になりますが、これまで支えてくださった先輩方、同期、後輩、そして多くの関係者の皆様に心より感謝申し上げます。101回目の箱根駅伝という新たな節目の大会に、関わることができたことを光栄に思っています。引き続き、箱根駅伝が輝かしい歴史を紡いでいけるよう、皆様の温かい応援をどうぞよろしくお願いいたします。

 次の掲載担当は金子です!金子は、おっとりとした優しい口調とは裏腹に、しっかりと物事をまとめ上げることができる頼れる存在です。今大会も、各所の調整やサポートを積極的に取りまとめてくれて非常に助かりました。次回もぜひご覧ください。