駅伝ひろば箱根駅伝を支える学生たちが書いてます

No.87

第3回「たかが学生、だからこそ」

板東孝訓

 こんにちは!関東学生陸上競技連盟常任幹事2年、東京大学教養学部文科一類の板東 孝訓(ばんどう たかのり)と申します。私の大学では、2年生まで教養学部で幅広い教養を身につけ、3年生から「進学振分け」により専門学部に進学する制度がとられています。私は来年度より法学部に進学することが内定し、現在は初めて学ぶ法律の勉強に四苦八苦しております。
 私は、関東学連の上部組織である日本学生陸上競技連合(日本学連)では副幹事長を務めております。日本学連は、関東学連を含む全国8地区学連を統括している団体で、日本学生対校選手権(日本インカレ)や全日本大学駅伝といった全国大会を主催しています。箱根駅伝との関わりでいえば、「学生三大駅伝」と言われている箱根駅伝、全日本大学駅伝、出雲駅伝のうち、箱根駅伝を除く2大会は日本学連の主催大会であり、私も現地で運営に携わらせていただきました。箱根駅伝を含め、4年間「三大駅伝皆勤」を目指しています!
さて、話は変わりますが、10月19日には、皆さんもご存じの通り、東京都立川市にて箱根駅伝の予選会が行われました。本選出場を目指した選手たちの走りに胸を熱くした方も多かったのではないでしょうか。ところで、同じ日、もう一つ、熱い戦いが行われていたのをご存知でしょうか。神奈川県平塚市のShonan BMW スタジアム平塚で行われた、実業団・学生対抗陸上競技大会です。全日本実業団対抗・日本インカレで上位入賞した選手が、実業団選抜チームと学生選抜チームとして、得点を競います。私は、大会担当、そして学生選抜チームのマネージャーとしてこの大会に関わらせていただきました。昨年まで、学生選抜チームは23年連続で実業団の後塵を拝してきました。しかし、今年の学生選抜チームは、昨夏のロンドン五輪代表だった選手や日本学生記録を持つ選手も何名かメンバーに入り、主将の戸邉直人選手、橋亜弓選手(ともに筑波大)を中心に非常に良い雰囲気で大会を迎えることができました。そして、最初のトラック種目だった女子400mHのワンツーフィニッシュを皮切りに、見事24年ぶりの勝利を収めることができました!最終種目の男子メドレーリレーでは、大学も境遇も全く違う54名全員が声を張り上げて走者を応援。アンカーの加藤良祐選手(豊田高専)が100分の4秒差で実業団を押さえてゴールした時には、チームがまさに一体となるのを肌で感じ、胸が熱くなりました。そして、このような歴史的瞬間を共有できたことに、学連をやっていて本当に良かったと、感謝の念でいっぱいでした。
箱根駅伝当日は、平塚中継所を担当します。3区から4区、7区から8区の中継が行われる、海にほど近い風光明媚な中継所です。箱根駅伝の時期が近づき、平塚中継所を訪れて警察の方々やその他ご協力いただいている方々にお会いする機会が多くなると、思うことがあります。私たちが箱根駅伝に携わることができるのは、関係各社の方々、審判の方々、家族など、たくさんの人の支えによるものであるということです。私たちは「たかが学生」です。自分たちの力だけでできることは限られています。それでも、箱根駅伝を走る選手たちが「学生だからこそ」毎年全国の方々に感動していただけるように、私たち学生幹事にも「学生だからこそ」できることがあるのではないかと思っています。支えてくださっている皆様への感謝の気持ちを忘れずに、大会当日は、「たかが学生だからこそ」できる何かを示せるよう、素晴らしい大会運営を目指していきたいと思っています。