駅伝ひろば箱根駅伝を支える学生たちが書いてます

No.51

第88回箱根駅伝学連日記ー第11回ー

野寺 巧寛

 明治大学法学部法律学科4年の野寺巧寛です。昨年も「みんなのマネージャーに」という題で学連日記を書かせていただきました。
今年の秋に入って、学連日記が例年より高い頻度で更新されていることにお気付きでしょうか。実は、私たち学生幹事の全員が記事を書くことを目標に計画を立てました。

 学連の業務は、大会運営・公認競技会申請・合宿・登録・審判講習……と、しばしば自分たちでも何をやっているのかわからなくなるほどに多岐に渡っています。また、主要な業務である大会運営も、物品・記録(エントリー)・印刷物・広報などに業務を分担して開催の準備を進めます。加えて大会当日も各所に分かれて運営をしています。その仕事ひとつひとつに、学生幹事一人ひとりが責任感と誇りを持ってあたっています(もちろん、全体としては役割と関係なくお互いの仕事を助け合いながら準備を進めています)。

 「より良い大会を」というのにも、その仕事にかける想い・目指すものは一人ひとり様々です。ですから、それぞれの業務を担当している学連幹事が「自分のことば」でそのひとつひとつを説明することで、学連業務の全体像が見えてくるのではないかと考えました。そこで、今年は幹事長・会計をはじめとする学連4年目の者から、学連に入ったばかりの者まで、学連幹事全員が学連日記を書く、ということを計画させていただきました。学連日記は広く箱根駅伝を応援してくださる方々に向けたものですが、学連幹事同士の情報・意識の共有にもなると考えています。今後、それぞれの立場から様々な想いが綴られるはずですので、どうぞご期待ください!

 私は広報を担当していますので、広報の仕事の一部として計画した、今年の学連日記に関する試みについて説明させていただきました。
さて、私が広報(報道対応)の仕事をする上で大切にしていることは、主催者(運営)・競技者・観客・報道機関・審判・チームスタッフのどの立場に立っても納得のいく調整を図ることです。例えば、大会を運営する上で、競技者の安全・パフォーマンスへの配慮は最も大切なことですが、できるだけ選手の近くへよりたいというチームスタッフや報道機関、観客の思いも当然のことと思えます。どこまで競技者に近づけるようなシステム・レイアウトにするかは非常に難しい部分です。なおかつ、複雑なシステムにすると主催者や審判の業務も複雑化するという問題も発生します。これを誰もが納得できるように調整するのが私たちの仕事です。よく耳にする「相手の立場に立って考える」というのとは違い、どの立場にもあえて執着しない立場で大会全体を考えることで、自ずと最善のレイアウトやシステムができていくと考えています。

 学連の業務は「そもそも」を考えられる業務です。大会運営で言えば、競技会運営上のローカル・ルールから競技日程、会場の設営まで一から考えることができます。前回のやり方にこだわらず、毎年少しずつでも改善していって、より良い大会にすることが私の信念です。また、昨年の学連日記「みんなのマネージャーに」でも書きましたが、明治大学競走部というチームから派遣されているからには、学連で学んだこと・得たことをできるだけチームに還元したいと考えています。今年の4月に再び迎えた東京六大学対校戦の運営では、それができたと自負しています。また、逆に東京六大学対校戦で得たこともあります。それに加えて、今年は日本学生個人選手権・日本学生対校選手権・全日本大学女子駅伝・全日本大学駅伝と4つの全国大会の運営にも携わりました。それぞれの大会で、それぞれ違った大会運営を見てきました。従来の箱根駅伝の運営方法にとらわれず、これらの経験を生かして、最後の箱根駅伝に向かっていきたいと思います。

東京六大学戦/各校主務・学連幹事