箱根駅伝

駅伝ひろば箱根駅伝を支える学生たちが書いてます

No.400

第23回「陸上競技・箱根駅伝をささえる」

椿 杏桜

 駅伝ひろばをご覧のみなさま、こんにちは!

 一般社団法人関東学生陸上競技連盟で常任幹事を務めております、帝京大学文学部社会学科4年の椿杏桜(つばきあこ)と申します。

 今年も駅伝ひろばの原稿を書く時期になり、気がつけば学生最後の年を迎えてしまいました。

 私が高校3年生のときに見た「第98回箱根駅伝」。このとき、関東学連の学連幹事という存在に出会いました。テレビ中継で、走り続ける選手に寄り添い、励ましている実況を聞いて、受験勉強に向き合っていた私自身の背中も同時に押してもらえたように感じました。

 初めてのこと尽くしだった1年生。陸上競技に選手として6年間関わってきたものの、立場が変化したことで全く分からないことだらけとなり、目の前の業務に必死にくらい着いていました。春季オープン競技会の大会担当者や、トラック&フィールドの表彰を担当して、責任のある業務が増えてきた2年生。さらに3年生・4年生になると、下級生や補助員の方に指示を出し、効率的に作業を行うために広い視野で行動することが増えてきました。

 学連幹事の業務は楽しいことや上手く行くことばかりではありませんでしたが、なんのために頑張るのか道に迷いそうになってしまったときは、本学の選手たちが練習している姿をこっそりと見て、私も再び走り出そうと頑張る意味を見出していました。

 関東学連の学連幹事として陸上競技に関わったことで見えた景色があります。陸上競技を支える側から見つめ直す中で、選手だけでなく補助員や審判の方々・チームを支えるマネージャーなど多くの人の想いが積み重なっていることです。

 特に心に残っているのが、長距離ブロックのマネージャーをしている友人の言葉です。「選手は命をかけているから、僕にできることは少ない」。そう語った彼のまっすぐな姿勢に、支える側もまた強い覚悟と責任を背負っていることを深く実感しました。私はその言葉を聞いて、競技を支えるすべての人が見えないたすきを継いでいるのだと感じるようになりました。

 学生スポーツである箱根駅伝は、毎年メンバーが入れ替わり、力のある選手も、裏で支え続けた学生も卒業していきます。それでも、彼らが残した「想い」だけは必ず次の世代へ受け継がれていきます。箱根路の10区間だけでなく、選手やマネージャーの想いを込めた「たすき」をこれからの世代に繋げてきたいという想いが、今の私の原動力になっています。

 さて、箱根駅伝当日は戸塚中継所を担当する予定です。当日まで選手やマネージャーがこれまで頑張ってきたことを最大限発揮できるような環境を整えるため、準備を徹底していきます。

 最後になりますが、未熟な私のことを見捨てることなく、たくさん助けてくれた先輩方や同期、頼もしい後輩、そして箱根駅伝の開催に向けてご尽力いただいている多くの関係者の皆様に心より感謝申し上げます。

 拙い文章ではありましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

 次回は同期であり、公益社団法人日本学生陸上競技連合の幹事長を2年務めていている三浦拓也です。三浦は思いやりがあり、大きな波を受け止める三浦海岸のように私たち同期を業務面でもメンタル面でも支えてくれています。三浦の駅伝ひろばをお楽しみください。