迫るその日に追い立てられる私と、その日を迎えに行くように歩く林。近づくほどに足早になる私とは対照的に、副幹事長を務める同期の林は、いつも変わらぬ足取りでその先を見つめています。そんな林から日記を引き継ぎました、一般社団法人関東学生陸上競技連盟で常任幹事を務めております、明治大学3年の小松右京です。林が大会全体を見渡しているとすれば、私はその傍らで、選手たちの姿が外の世界へ届くまでの道を整える報道業務を担っています。今年度は学生の主任として、その準備や調整に携わっています。
今年度の主催大会は、焼津みなとマラソンとの初併催となった関東学生陸上競技対校選手権大会のハーフマラソンに始まり、本大会もカンセキスタジアムで初開催されるなど、新たな挑戦の多い1年となりました。手探りで形をつくる場面が多い中、私が意識していたのは「落ちている種には全て水をやる」ということです。
小学2年生の頃、クラスで唯一アサガオの花を咲かせることができなかった私は、その原因を種のせいだと思い込み、それ以降、無意識のうちに「花を咲かせそうな種」を選別してきました。しかし、2年半前に学連幹事になってからは、とめどなく降り注ぐ業務に、種を選別する余裕もなく、ひたすらに水をやり続けました。
学連幹事としての活動も半分を過ぎ、今年度の初めにこれまでの業務を振り返ったとき、きっと花は咲かないと思いながらもがむしゃらに向き合ってきた種が、関係する皆様の力によって、思いもよらぬ花を咲かせていることに気がつきました。
箱根駅伝をはじめ、本連盟が主催する大会は、皆様のご支援のおかげで、さらに広く認知されるようになっています。今の私の周りには、共に水をやり、陽をあて、養分を与えてくださる方が多くいます。箱根駅伝の報道運用について思い悩むときには、共催する読売新聞社のご担当者にも力を貸していただいています。今年1年、向き合い続けた業務のすべてが花を咲かせるとは限りません。それでも、共に咲かせようとしてくれる人が周りにいることが、私の誇りです。
さて、学連日記のたすきは同期の浮穴(うけな)に繋ぎます。
浮穴は、まさに前述した「共に花を咲かせようとしてくれる仲間」です。陸上競技をこよなく愛し、より良い大会を共に志向しています。大会運営に対してはとても真面目な彼ですが、日常では学年のムードメーカーでもあり、彼の周りはいつも活気にあふれています。そんな真面目さと明るさを兼ね備えた、ユーモアあふれる浮穴の駅伝ひろばを、ぜひ楽しみにお待ちください。
あと2か月余りで、大手町に号砲が鳴り響きます。
どんな花が咲くのか、私には予想もつきません。ただ、箱根路を駆ける選手たちと、その背中を押す観客の皆様が、色とりどりの花を咲かせてくれると確信しています。
そして大会を終えたとき、運営する私たちにかけられる言葉が、「頑張った」ではなく、「良い大会だった」であることを願っています。