駅伝ひろば箱根駅伝を支える学生たちが書いてます

No.298

第33回「させていただく」

児玉 怜奈

 駅伝ひろばをご覧の皆さま、こんにちは!関東学生陸上競技連盟で常任幹事を務めております、青山学院大学3年の児玉怜奈です。3年生にしてやっと、対面での授業が終わったら千駄ヶ谷の事務所に向かう、という生活を送ることができるようになりました。毎日、大学から千駄ヶ谷の事務所まで徒歩で向かうことが私の日課であり、最高の息抜きです。道中で見られるイルミネーションに冬の訪れを感じると共に、箱根駅伝が近づいてきていることを実感します。

 さて、 私は、大学で日本語学を専攻しておりますが、日本語を学ぶ中でその中でも頻繁に話題にあがるのが、「~させていただく」の使用に関することです。皆さんも、「~させていただく」という表現を見たり聞いたり、そしてご自身でもお使いになること が多くあるのではないでしょうか。この表現は、本来、〈他者の許可を得た上で、自分が行うことについて、その恩恵を受けることに対して敬意を払っている場合〉に使用されます。しかし、相手の許可が必要ない場合や自分に恩恵がない場合にも、使われている場面がよく見られます。今や、「~させていただく」は、「~いたします」や「お~する」などと同じように使用されるようになりつつあるのです。この現象は、「~いたします」や「お~する」の敬意のすり減りが原因なのではないかと言われています。「~いたします」や「お~する」を使用するだけでは敬意が相手に伝わりきらないと感じられるようになり、「~させていただく」を使用することで不足した敬意を補おうとしているのです。この結果、本来の意味が失われつつあります。

 このような状況の中で、私はあえて、「箱根駅伝を運営させていただいている」と、表記したいと思います。これまでの先輩方も、駅伝ひろばにて、「運営させていただいている」と、表記しておりましたが、本当にその通りであると、日々実感します。上級生になり、自分が主体となって業務を行うことが増えた今、先輩方の言葉の真意がより深く私自身の心に染み入ってきます。私たちは、多くの方々のご協力を得て、箱根駅伝を運営することができています。ここでは書ききれないほど、多くの方が箱根駅伝に携わってくださっています。また、箱根駅伝の運営を通して、私自身、多くの学びを得ることができています。関東学連で学連幹事として活動をしていなければできない貴重な経験がたくさんできています。いち大学生が、箱根駅伝という大きな競技会を動かすという経験ができているということは当たり前のことではありません。3年生になり、学連幹事としての活動にも慣れ、日々業務をしていることを当たり前のように感じてしまいますが、この経験ができていることのありがたみを忘れず、今後も業務に励みたいと思います。

 大会当日は、平塚中継所を担当する予定です。第99回目の箱根駅伝が、素晴らしき大会になるよう、残りの期間も粛々と準備を進めてまいります。また、「運営させていただいている」という姿勢を忘れないよう、気を引き締めて業務にあたります。

 最後までお読みいただきありがとうございました。大会当日は、箱根路を駆ける選手への熱い応援をよろしくお願いいたします!