箱根駅伝

駅伝ひろば箱根駅伝を支える学生たちが書いてます

No.383

第6回「己の限界」

赤間 美恋

 駅伝ひろばをご覧の皆さま、こんにちは。

 一般社団法人関東学生陸上競技連盟で常任幹事を務めております、東洋大学3年の赤間美恋と申します。

 人生の大きな決断をしてから早3年が経ちました。陸上競技が中心の日々を過ごし、様々な人との出会いや今しかできない体験があり、本当に充実した毎日を送っております。学連幹事として活動することを決断した過去の自分に感謝を伝えたいです。そして、学連幹事として活動できる期間も残り1年余りとなり、何気ない日々を大切に、後悔のないよう業務に取り組みたいと決意を新たにしています。

 私は、今年2月に行われた沖縄ハードル合宿の担当を務めさせていただきました。高校生まで選手として陸上競技に向き合っていましたが、自分自身は合宿に参加した経験がありませんでした。そのため、合宿の日程中には、本来であれば私が支えるべき先生や選手にたくさん支えられ、不慣れな私を優しく迎えていただき、無事に終えることができました。合宿では、それぞれが「己の限界」を超えるために、技術向上を目指し、ひたむきに、時にはコミュニケーションを取りながら、練習に向き合う姿を見て、選手の凄さを肌で感じることができました。また、合宿に参加していた選手が、東京2025世界陸上競技選手権大会(以下、東京世界陸上)や日本陸上競技選手権大会をはじめとした多くの大会で活躍する姿を見て、自分の仕事を誇らしく思うと同時に、身を引き締めて活動をしていこうと思いました。

また、これまで関東学生陸上競技対校選手権大会をはじめ様々な大会での業務として、学生審判員および補助員の派遣を担当しました。その度に、陸上競技の大会を開催するためには他のスポーツと比較して多くの審判員や補助員が必要であり、たくさんの方々のご協力のもとで開催されていることを強く感じました。そして、関東学連で1年を通して数多くの陸上競技の大会を開催できていることが奇跡のようだと気づかされました。さらに今年度は、加盟校の学生に対して、B級公認審判員養成に向けた業務に日々向き合っています。日本陸上競技連盟公認審判員になるためには、座学講習会および実技講習会の受講が必要になります。実技講習会においては、各都道府県陸協の皆さまにご協力をいただいて実施をしております。実技講習会の際には加盟校の対校戦やマスターズの競技会に足を運ぶ機会がありました。私は、高校時代までしか選手として大会に参加してこなかったため、今までに見たことのない大会の雰囲気を感じることができ、陸上競技の新しい側面を発見し、ますます魅力あるものだと感じています。日本の陸上競技界は審判員の高齢化や減少が問題となっています。今後も多くの選手に陸上競技が愛され、多くの観客に楽しんでいただくために、学連幹事の残された活動期間では審判員の養成および活動の継続を促進できるよう、尽力いたします。

さて、大会当日は昨年に引き続き、鶴見中継所を担当する予定です。2年前から感じている、箱根駅伝に携わらせていただけることへの誇りと感謝は今年も色あせていません。皆さまの思いを胸に、箱根駅伝に関わる全ての方々にとって思い出の大会となるよう、約2か月準備をします。私自身、日々の活動の忙しさや学業との両立の難しさから「己の限界」を感じることもあります。自分の実力不足や配慮の至らなさが悔しく、もっとうまくできないか、と日々「己の限界」と向き合っています。箱根駅伝までの期間は、先輩方が積み上げてきた101回の経験を活かし、3年間ともに歩んだ同期と協力し、今後を担う後輩たちと努力を重ね、全力で駆け抜けていければと思います。

箱根駅伝当日は、仲間の思いを胸に「己の限界」を超え、新春の箱根路を全力で駆け抜ける選手たちにあたたかいご声援をどうぞよろしくお願いします。東京世界陸上では多くの選手が観客の声援から力をもらったと語っていたように、陸上競技を愛する皆さまのご声援が、気持ちが、熱量が、選手に届くよう願っております。

拙い文章ではございましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

 次回からは、学連幹事として初めての箱根駅伝を迎える1年生が続きます。

 1年生の先陣を切りますのは、日常のありとあらゆることを陸上競技に例えてしまうくらい、陸上競技を愛してやまない露木くんです。陸上競技に対する熱い思いを文章から感じ取っていただけますと幸いです。