箱根駅伝

駅伝ひろば箱根駅伝を支える学生たちが書いてます

No.382

第5回「環境と気持ちの変化」

渡辺 夢子

駅伝ひろばをご覧のみなさま、こんにちは。一般社団法人関東学生陸上競技連盟で常任幹事を務めております、お茶の水女子大学3年の渡辺夢子です。

私は今年度の箱根駅伝でエントリー担当を務めております。各大学のチームエントリーおよび区間エントリー公開まで気を引き締めて業務にあたりますので、楽しみにお待ちください。

この1年間担当した業務のひとつに、鹿児島棒高跳合宿があります。棒高跳という種目はポールを使い、助走・踏切・空中動作すべてがかみ合うことで、はじめて跳躍が完成する競技です。知名度が高くない種目であるからこそ新たな学びや発見が多く、この合宿を通して棒高跳という種目の良さをたくさん感じることができました。普段は千駄ヶ谷の事務所で活動している私たちにとって、選手たちが練習している様子を近くで見る機会は少なく非常に良い経験となったとともに、自身の業務に向かう姿勢を改めて考えさせられました。私たちが誰のために普段活動しているのか、と言われたら真っ先に選手が出てきますが、私たちは選手が普段どのような努力をしているのかを詳しく知りません。そのため、「選手」という対象が意識しにくく、意味を見出しながら業務を行うことが難しい場面もありました。しかし、この合宿を通して、ほんの一部ですが選手の努力を肌で感じ、「選手」という対象が可視化された感覚になりました。そして大会のエントリー作業中に合宿で出会った選手の名前を見つけたときや、主要大会での活躍を見たときには選手が頑張っているから自分も、という気持ちを持てるようになりました。合宿中は自分からコミュニケーションをとることがあまりできず、選手たちにたくさん気を遣わせてしまいましたが、こんな私に大会で会うたびに声をかけてくれる大好きな存在です。この合宿を通して7人の選手に出会えたことは、私の大きな宝物です。

さらに、普段の業務では記録関係に携わっており、第20回トワイライト・ゲームスのエントリー担当を務めました。本大会は東京2025世界陸上競技選手権大会参加標準期間内に設定され非常に注目度が高くなり、例年よりも多くの実業団所属選手に出場していただきました。他の主催大会とは異なる招待制の大会であるため、普段のエントリー業務とはかけ離れた作業となります。普段のエントリー業務は記録担当の学連幹事全員で協力する場面が多いですが、トワイライト・ゲームスはエントリー担当のみで行う作業ばかりでうまくいかない場面が多く、自身の無力さを感じました。大会直前まで出場選手が固まらず選手たちには大きな迷惑をかけてしまいましたが、大会当日は男子400mHでシンガポール新記録が樹立されたり、11種目で計17個の大会新記録が樹立されたりと、記録主任にとっては嬉しい結果で終わることができました。改めて出場選手全員に感謝の気持ちを伝えたいです。

箱根駅伝当日は、小田原中継所を担当する予定です。選手たちのことを一番に考えながらも協力してくださるみなさまに感謝の気持ちを持ち、最高の大会を作ることができるよう準備してまいります。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

新春の箱根路を駆け抜ける選手への応援を、どうぞよろしくお願いいたします。

次回の担当者は、興味がないのに私の大学野球観戦に付き合ってくれるほど仲がいい、同期の赤間です。彼女はぬいぐるみをこよなく愛しているため、野球を見ずにぬいぐるみと球場の写真撮影を優先しています。しかし彼女には贔屓球団があり、プロ野球の試合にはたくさん足を運んでいます。私はプロ野球観戦には興味がないため野球観戦の面ではお互い分かり合えませんが、日常の業務では見習うべき部分が多く頼りにしています。次回もぜひご覧ください。