駅伝ひろば箱根駅伝を支える学生たちが書いてます

No.316

第11回「選手の強さに背中を押されて」

清水 美空

 駅伝ひろばをご覧の皆様、はじめまして。

 関東学生陸上競技連盟で幹事を務めております、鎌倉女子大学家政学部家政保健学科1年の清水美空と申します。大学では、養護教諭の免許取得を目標に解剖生理学や小児保健学を学んでおります。少しずつ風が冷たくなり始め、冬の始まりを感じるとともに箱根駅伝が近づいてきているのを実感しています。

 さて、突然ですが、私は陸上競技の経験がありません。中学校、高校では剣道部に所属し、全国大会出場を目標に稽古に励む毎日でした。

 そんな私が陸上競技に興味を持ったのは小学2年生の時です。母に勧められ、小説「風が強く吹いている」を読んだことがきっかけで、箱根駅伝に興味を持ち、テレビで観戦する ようになりました。そこで過酷な箱根路に挑戦する選手の美しくて強い姿に背中を押された気がして、大きな衝撃を受けました。そして、私は選手だけでなくアナウンサーの実況にも心惹かれました。

 それから毎年、私はアナウンサーの実況を聞きたくて、現地ではなくテレビで箱根駅伝を観戦していました。そして、往路が終わると地元の鶴見中継所に家族で足を運んでいました。夜の鶴見中継所からは、静けさの中に数時間前までの選手や観客の熱気をそのまま閉じ込めたような不思議な雰囲気が感じられました。そんな鶴見中継所の前に立って「私も箱根駅伝に携わりたい」と強く思ったことを今でも覚えています。

 どうしたら箱根駅伝に携わることができるのか。調べていく中で、箱根駅伝は関東学連の学連幹事が中心となって運営されていることを知りました。当時小学5年生の私は「これしかない!」と興奮し、この時から私の将来の夢は「関東学連の学連幹事になること」になりました。

 そして今春から、念願だった関東学連の学連幹事として活動する日々を送っています。8年前の私に「本当に学連幹事になれたよ」と言ってあげたいです。

 学連幹事として沢山の業務を行う中で、陸上競技の経験もなくずっと剣道をしていた私に向いているのだろうかと不安になることが多々あります。ですが、私が初めて箱根駅伝を見たあの日、選手の強さに背中を押された気がするから業務に励むことができています。

 箱根駅伝当日、私は平塚中継所を担当する予定です。

 箱根駅伝は出走する選手だけでなく、マネージャー、箱根路を目指したが叶わなかった選手、そして補助員として協力してくださる学生がいるからこそ成り立っています。そんな学生たちが輝ける箱根駅伝になるよう、私たちは誠心誠意業務に取り組んでまいります。大会当日、全ての学生に温かいご声援をどうぞよろしくお願いいたします。