駅伝ひろば箱根駅伝を支える学生たちが書いてます

No.358

第16回「青春のすべて」

渡辺 夢子

 駅伝ひろばをご覧のみなさま、こんにちは。一般社団法人関東学生陸上競技連盟で常任幹事を務めております、お茶の水女子大学文教育学部2年の渡辺夢子です。

 学連幹事として携わった最初の箱根駅伝から早くも1年が経とうとしており、時の流れの早さとともに焦りを感じております。

さて、私は今夏、大学の授業でブータンへ実習に行きました。ブータンといえば、「世界一幸せな国」という言葉が思い浮かぶのではないでしょうか。しかし、実際のブータンはまだまだ発展途上であり、学校不足が原因で小学校入学段階の6歳という年齢で親元を離れて寮生活を送りながら学んでいる児童も多く存在しています。この実習を通して、自分が日本でやりたいことをやらせてもらえている今の状況がどれだけ恵まれているか、どれだけ幸せかを肌で感じました。

 学連幹事としての活動では、秩父宮賜杯第56回全日本大学駅伝対校選手権大会関東学生陸上競技連盟推薦校選考会(以下、全日選考会)の大会担当を務めました。本大会は非常に注目度が高いため、細かなところまで話し合いを重ね準備を行いました。当日は多くの観客の皆様からの応援に恵まれて大会を開催することができましたが、私たちの至らない点も多く、思った通りに大会運営を進めることは難しかったです。しかし、一生懸命走る選手たちの姿を見て、大会が無事に終了したことに安堵しました。

 以上の2つの経験から、私は一つのことを続けることがどれほど難しいことなのかを考えました。ブータンで親元を離れて学んでいる学生の姿、全日選考会で自分の限界を超えて走る選手の姿を見て、私にはここまで夢中になれることはあるのだろうか、と考える日々を過ごしました。そして、一生懸命競技をする選手たちを一番近くで支える、学連幹事という存在はやりがいがあり、目立つことが得意ではない私にとって夢中になれることなのではないかと考えました。さらに、私はブータンに行って恵まれない環境の中でも笑顔で過ごしている小学生と接したことで、将来は小学校教員を目指すことを決めました。この職業も、子どもたちの将来を支える重要な職業だと考えています。

 学連幹事は、その業務が光を浴びることは少なく、競技会や出場する選手たちを支える立場です。ここで過ごす4年間を有意義な時間とし、将来につなげたいと強く感じています。

 箱根駅伝当日は、小田原中継所を担当する予定です。たくさんの感謝を胸に、最高の大会を作ることができるよう準備してまいります。

 最後までお読みいただきありがとうございました。

 新春の箱根路を駆け抜ける選手への応援を、どうぞよろしくお願いいたします。