駅伝ひろば箱根駅伝を支える学生たちが書いてます

No.253

第23回「遠いようで近い距離」

伊藤 駿汰

 駅伝ひろばをご覧の皆様こんにちは!駒澤大学経営学部経営学科1年伊藤駿汰です。

 私は大学で経営について広く学ぶと同時に、システムやデータを活用した効率的な業務遂行、経営維持について今後学びを深めていきたいと思っております。

 皆様におかれましては、昨今、度重なる自粛で日頃よりご不便を強いられていることと存じますが、いかがでしょうか。私も皆様と同様に我慢を重ねながら日常を過ごしております。

 私は小学1年生より剣道を続けております。高校は神奈川県の公立高校に進学し、神奈川県で史上初となる公立高校としての全国大会出場権獲得に選手として貢献しました。そして、このように歴史を塗り替えたものの新型コロナウイルス感染症拡大の観点から全国大会が中止となったことで積み重ねた努力は行き場を失い、非常にやるせない気持ちとなって私に襲いかかりました。

 剣道という武道における応援は原則拍手のみとされ、大会フロアに降りることができるのは選手とお付きのみというケースが多く、応援は観客席とされています。制限された条件の中での応援、勝利の後に喜ぶことや胴上げは控えた方が良いという側面から他種目に 比べて物理的な距離は遠いと思いますが拍手の音だけでも誰の拍手かがわかるほど心の距離は非常に近い種目なのではないかと私は思っています。

 しかし、私の経験から考えると今回の箱根駅伝も同様なのではないかと思います。例えば選手同士の姿を見てもそのことは確かだと言えます。1区の選手はたすきを継いだ後は休む間もなく、2区や3区など他の区間を走る選手をテレビや自らが持つネットワークを通じて応援します。走者はその想いに応えるかのごとく、1秒でも早く、ひとつでも上の順位でたすきをつなぐべく全力を尽くして走ります。これを想いが通じていないと言える理由はどこにもないはずです。

 この様に熱い想いと応援は私たちも同様に、応援する場所に関係なく選手に届けることができると思います。今大会も前回同様沿道での観戦や応援はご遠慮していただくお願いをしておりますが、協力のほどよろしくお願い申し上げます。

 私は当日スタートとフィニッシュを担当する予定です。運営に携わる初めての箱根駅伝に私としても緊張しておりますが、皆様が今回も楽しく箱根駅伝に触れられるよう、またフィニッシュなどの感動的な情報を通じて、爽快に新年のスタートが切れるよう最大限 尽力して参ります。本大会も変わらず皆様のご協力を受けまして開催できることに感謝を申し上げると共に、重ねて開催に伴う新型コロナウイルス感染症の感染対策にご理解いただきますようよろしくお願いいたします。