駅伝ひろば箱根駅伝を支える学生たちが書いてます

No.259

第29回「迷い」

小谷野 香澄

 駅伝ひろばをご覧の皆様、こんにちは。関東学生陸上競技連盟で常任幹事を務めております、日本女子体育大学2年の小谷野香澄と申します。

 今年の3月から学連幹事として活動を始めてから9か月ほど経過し、日々の業務や大会での役職に苦戦しながらもこの活動にやりがいを感じ、充実した日々を送っています。

 私は中学から陸上競技を始め、高校を卒業するときに地元の陸上競技協会の方の一言がきっかけで、神奈川陸上競技協会で陸上競技の審判員免許を取得することとなりました。初めて大会を運営する側に立ち、今まで選手として出場していたときには気付かなかったことを知っていくことが楽しく、トラックシーズンの週末は陸上競技場に足を運ぶことが日課のようになっていました。私は大きな大会に出場できるような強い選手ではありませんでしたが、運営側として大きな大会に参加したとき、会場の盛り上がり方に感動しました。もっと知りたいもっと深く携わりたいと思い、学連幹事になることを決めました。

 しかし、この決断をするまでには数え切れないほどの迷いがありました。私は大学入学当初薬科大学に通いながら薬学を学んでおりましたが、学連幹事と両立させることは難しいと考え、学連幹事として活動することは諦めていました。そのまま6年間を薬科大学で過ごして薬剤師国家試験に臨むことを考えておりましたが、本当にやりたかったことではないことに途中で気づきました。薬学部という環境から薬剤師を目指す機会を与えていただいたのにも関わらず、諦めてしまっても良いのか、たくさん迷った末、2年間薬学を学んだ後、興味を持っていた健康やスポーツについて学んでみたいという思いから、日本女子体育大学に入学いたしました。コロナ禍の影響により、1年目は学連幹事になることはできませんでしたが、2年生になり学連幹事になれました。

 学連幹事として業務をさせていただいている現在も多くの迷いがあります。大学を変えてまでこの活動をすることを選択して本当に良かったのか、日本女子体育大学に入学して間もなく2年が経過しますが本当にやりたいことは今でも見つかっていないことなど、毎日不安に襲われそうになります。

 そのような中でも、2年前に母から「大学生活はやりたいことをやりなさい」と言ってもらえたことが忘れられず、大学生活はやりたいことに夢中になって全力でやってみようと、自らを励まして日々活動を続けております。4年前に想像していた6年間とは全く違う時間を過ごしていますが、6年間の大学生活を終えたときにこの選択をして良かったと思えるよう、またこの選択を許してくれた親へ感謝の気持ちを忘れずに、全力で現在の活動に努めて参ります。

 箱根駅伝当日は小田原中継所を担当する予定です。私はこれまで神奈川陸上競技協会から走路員として大会当日に関わるのみでしたので、98回大会は関東学連の学連幹事として準備段階から関わる初めての箱根駅伝となります。主催者として今までとは違う関わり方をする箱根駅伝はより一層身が引き締まる想いであります。

 拙い文章ではありましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。大会当日、新春の箱根路を駆け抜ける選手たちへテレビやラジオからの熱いご声援をよろしくお願いいたします。