駅伝ひろば箱根駅伝を支える学生たちが書いてます

No.376

第34回「集大成」

松尾 航

 駅伝ひろばをご覧の皆さま、こんにちは。

 一般社団法人関東学生陸上競技連盟で常任幹事を務めております、東洋大学4年の松尾航です。

 2024年も残すところ2日、そして第101回箱根駅伝のスタートまであと4日となり、我々学連幹事の準備も大詰めを迎えています。

 「大好きな箱根駅伝に何かしらの形で携わりたい」

 そんな思いを胸に学連幹事となり、とにかく先輩方の背中を追うことで精一杯だった時を経て、気が付けば自分が先輩方に教え導いていただいたことを後輩に伝えていく立場となり、あっという間の学連幹事としての時間であったと、この4回目の駅伝ひろばを執筆しながら感じています。特に最後の1年間は報道主任としての責任の大きさにプレッシャーを感じながら業務にあたりました。学生スポーツでありながらも、選手の活躍がより多くの人に届き、私自身が陸上競技を好きになったように、少しでも多くの人に魅力が届いてほしいという思いで、自分自身も報道体制における準備にあたり、同じ担当の後輩たちとも業務を行いました。そして、これまで同じ報道担当を務め、たくさんのことを教えていただいた先輩方の姿を目指す中で、その姿に近づけているのか、後輩たちにしっかりと背中を見せることが出来ているのか、不安になることもたくさんありました。しかし、ある関東学連の先生とお話をさせていただいた際、「これまでの先輩と同じになる必要はない、自分なりのやり方で頑張れば良い」とおっしゃっていただいた時、霧が晴れたような気持ちになったことを今でも鮮明に覚えています。それ以降、時間がかかることもありましたが、一つひとつ自分が納得するまで検討を重ね、それぞれを形にすることができ、自信に繋がりました。私自身がそうしてきたように、後輩たちにもそれぞれのペースで、それぞれのやり方で、最後まで楽しんで活動して欲しいと思っています。

 私にとって関東学生陸上競技連盟は、「常に新しい世界を見せてもらえる」、そんな場所でした。1年生では箱根駅伝で関東学生連合チームの主務を務め、2年生では新たな国立競技場で開催した10000m記録挑戦競技会の大会担当を務めました。3年生では活動のほとんどが記憶にないくらい多忙を極めながらも多くのことを学び吸収できた実りある1年間でした。学連幹事にならず、普通の大学生として過ごしていては経験できなかったこと、もちろんすべてが楽しいことではありませんでしたが、その一つひとつが積み重なり、今の私があると思います。楽しかったこと、苦しかったこと、自分の不甲斐無さに涙を流したこと、挙げたらきりがありません。学連幹事を辞めたいと思ったことも片手では収まらないくらい経験しました。それでもここまで辞めずに学連幹事を続けることができたのは、多くの人の支えがあったからこそだと感じています。私たち学生の意見を尊重し、活動を支えてくださる先生方や尊敬してやまない先輩方、こんな私を頼ってくれる後輩達、家族、大会で出会いプライベートでも仲良くしてもらうなど、学連幹事として頑張る理由をくれた選手達、そして苦楽を共にした頼れる同期達の存在に、感謝の気持ちでいっぱいです。

 さて、箱根駅伝当日は平塚中継所を担当する予定です。101回大会では、平塚中継所の主任と前述の通り報道主任を兼務いたしました。自分のキャパシティーを大幅に超える業務量、それに関係なく迫ってくる期限に頭を抱えることもありましたが、頼れる後輩たちが支えてくれたおかげで、なんとか今日まで準備を進めることが出来ました。選手たちが箱根路で輝けるよう、箱根駅伝を愛してくださる皆さまの思い出となるように、そして私の学連幹事としての集大成として、最後まで全力で業務にあたります。当日は選手への温かい応援をお願いいたします。

 次回は、今年度3年生ながら幹事長を立派に務めあげてくれた自慢の後輩、次呂久です。たくさんの後輩から慕われ、私自身も彼女の業務に向き合う姿勢に鼓舞された、尊敬する人のひとりです。来年度の関東学連も彼女を中心に、後輩たちが、選手が輝ける競技会を作り続けてくれることと思います。どうか、今後とも関東学連をよろしくお願いいたします。

 拙い文章ではありましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

 それでは、良いお年をお迎えください。