駅伝ひろば箱根駅伝を支える学生たちが書いてます

No.307

第2回「転機」

赤間 美恋

 駅伝ひろばをご覧の皆様、初めまして。関東学生陸上競技連盟で幹事を務めております、東洋大学健康スポーツ科学部健康スポーツ科学科1年の赤間美恋と申します。大学では、スポーツの基本となる生理学や解剖学について学んでいます。

 私には年の離れた2人の姉がおり、姉が2人とも中学・高校ともに陸上競技部に所属していたため、物心つく前から陸上競技を身近に感じていました。そのため、走ることを含めスポーツ全般が苦手と感じていた私ですが、中学生では自然と陸上競技部に入部する流れとなりました。入部してからは、練習をすればするほど結果が出るスポーツの楽しさを知り、のめりこんでいきました。また、中長距離を専門としていたため、箱根駅伝をはじめ多くの駅伝を録画し何度も何度も繰り返し見るようになりました。

 しかし、そんな生活にも変化がありました。高校1年生のときに新型コロナウイルス感染症が流行し、部活動では大会を含めた日々の活動も中止が余儀なくされ、身の周りからスポーツが消えたように感じました。自宅で過ごす時間が増え、スポーツをする時間は格段に減りました。テレビで録画していたスポーツ番組を見ながら、部活動などのスポーツの再開を心待ちにしていました。新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着くとともに徐々に再開された大会では、今までの思いを晴らすように活躍する選手の姿を見てとても感動しました。未知のウイルスの終息の兆しが見えない苦しい状況でも、ひたむきに努力を重ねた選手の偉大さや、スポーツが与える力の大きさを再認識するきっかけとなりました。この時期から、私はスポーツの素晴らしさを多くの人に伝えたいと考えるようになりました。

 高校卒業とともに陸上競技は引退しようと考えていましたが、大学生になってからスポーツに関われる方法はないかと探し、関東学生陸上競技連盟の幹事募集という文字を見つけました。私は今まで姉を見て真似をしながら学び、家族に言われるまま流されるままに過ごしてきたため、自分で大きな選択や決断をすることなく生きてきました。しかし、どうしても学連幹事になりたいという意思は固いものでした。進学先や大学生活に関しては何度も何度も家族会議を行いました。最後まで学連幹事になることを家族から反対されてはいましたが、学業と両立することを条件になんとか説得し、活動するに至りました。活動することが決まるまでは大変な道のりでしたが、今は大好きな陸上競技に関わりながら、素敵な仲間と活動することができ、学連幹事になることを諦めなくてよかったと心から思います。

 さて、私は当日鶴見中継所を担当する予定です。毎年家族でテレビ越しに見ていた憧れの箱根駅伝に関われる嬉しさを感じるとともに責任も感じています。ひとりでも多くの方に箱根駅伝の魅力を伝えられるように、残り約3か月、偉大な先輩方や頼もしい同期とともに頑張っていきます。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。当日は箱根路を全力で駆け抜ける選手たちに暖かいご声援をどうぞよろしくお願いいたします。