駅伝ひろば箱根駅伝を支える学生たちが書いてます

No.308

第3回「追いかけ続ける勇気」

渡辺 夢子

 駅伝ひろばをご覧の皆さま、こんにちは。関東学生陸上競技連盟で幹事を務めております、お茶の水女子大学文教育学部1年の渡辺夢子と申します。

 大学では、小学生の頃から追いかけ続けている、「教育者として、開発途上国に暮らす子どもたちに対して国際協力を行う」という夢に向かって学んでいます。私がこの夢を抱いたきっかけは、小学校3年生の頃に、父が買ってくれた1冊の本でした。そこには、当時の私と同年代の子どもが戦争によって満足に生きることもできないまま亡くなっていく様子が書かれており、大きな影響を受けました。今でも読み返すほど大切なその本がなければ、今の私はありません。

 さて、同じく小学生の頃から追いかけ続けているもうひとつの夢が、「学連幹事になって箱根駅伝の運営をする」というものです。幼いころから正月は家族で箱根駅伝を見ることが恒例となっており、私自身も家族と箱根駅伝の話をすることが楽しくて仕方ありませんでした。私は、興味のあることをとことん調べつくす性格で、箱根駅伝や選手に関する知識も年々増えていきました。そんな私を見た父が、箱根駅伝は学生が運営しているという情報を私に教えてくれました。そして、現在私は学連幹事として、さまざまな活動をしております。その過程で感じていることは、「追いかけ続けることの難しさ」です。

 学連幹事になるためには、関東学生陸上競技連盟に加盟している大学の陸上競技部に所属することが必要です。しかし、冒頭にお伝えした大きな夢を叶えるために興味を持っていた大学は、関東の大学ではありませんでした。そこで、二つの夢を叶えるために、高校入学直後から関東の大学に絞って志望校を決め、その大学に入るために一生懸命努力していました。しかし、入試直前になって、その志望校が関東学生陸上競技連盟の事務所がある千駄ヶ谷から遠く、学連幹事として活動するためには志望校を変更する必要がある、という結論に至りました。

 このように「学連幹事になる」という夢を追いかけ続けた中で、さまざまな選択を迫られました。学連幹事として活動したい、という夢を諦めてでも自分の行きたかった大学に進学すべきだったのではないか、と考えることもあります。しかし、学連幹事になる、という夢を追いかけ続け、自分で選択をしながら生きてきて学んだことは、今後の人生に役立つ非常に有意義な経験だったと感じています。

 当日は小田原中継所を担当する予定です。今までは画面の向こうでしか見たことがなかった箱根駅伝に、運営する側として関われることに嬉しさと責任感をかみしめながら精一杯準備してまいります。

 最後までお読みいただきありがとうございました。

 新春の箱根路を駆け抜ける選手への応援を、どうぞよろしくお願いいたします。