駅伝ひろば箱根駅伝を支える学生たちが書いてます

No.233

第3回「恵み」

加藤 弘暉

 駅伝ひろばをご覧の皆様、こんにちは!関東学連で常任幹事を務めております、専修大学法学部法律学科4年の加藤弘暉と申します。

 2年生から学連幹事となり、私が駅伝ひろばを書かせていただける機会は今回で最後となりました。引退までの期日が迫っている事はとても寂しいですが、今は98回大会を成功させるんだという思いで頭がいっぱいです。

 さて、私が学連幹事になってからの3年間、自身の核としてきた言葉があります。それは「当たり前と思った時、人は感謝を放棄する」という言葉です。その理由は、これまで私が活動できたのは「運」と「縁」と「恩」に恵まれたからです。

 まず、私が学連幹事でいられる理由として、専修大学の支えがあります。選手でもなく、練習のサポートをする立場でもない私を部員として認めてくださっている陸上競技部。1年生の時に陸上競技部へ転部する事を快く承諾してくれ、背中を押してくださったスポーツ編集部。専修大学に進み私の意思を肯定してくださる方々に出会えた事が本当に幸運だったと思っています。

 また、一昨年務め上げられた森幹事長の言葉を借りる形になりますが、私達は大会を「運営させていただいている」立場です。私が担当する鶴見中継所は、他の中継所とは異なり、公道をそのまま中継所として使用している事から、より多くの地域住民や施設の方々にご迷惑をおかけしてしまっている事と思います。しかし、毎年大会前にご挨拶に伺わせていただいた際には「今年もうまくいくといいね」「いつもご苦労さま」などと、とても温かい言葉をかけてくださります。そのような言葉を頂くごとに、地域の方々のご理解とご協力があって大会が成立している事を実感し、絶対に大会を成功させようという覚悟が強くなっていきます。この大会運営を通して得られたご縁をこれからも大切にしたいです。

 そして何より、私はこの3年間、学連幹事の仲間に大変恵まれたと思っています。これまで先頭で引っ張ってくださった先輩方、刺激をくれ、頼りになる後輩達はもちろんですが、特に同級生が今のメンバーで本当に良かったです。2年生の頃、1年も後に入った私を「同期」と呼んでくれた事、大会担当を務めた競技会の終了後にはみんながグータッチして労ってくれた事が恥ずかしながら本当に嬉しかったのを鮮明に覚えています。今は最上級生としてそれぞれが各役職の主任をしています。各々が自身の任務を全うし大会終了後にお互いを称え合う事、この学年だから作り出せる大会を作って、後輩たちへ箱根駅伝がよりよくなっていく引継ぎをする事こそが、私ができる恩返しの形だと思います。

 最後になりますが、私が運と縁と恩を通して出会えた方々へ、「ありがとうを伝えたい」という思いが今の一番のモチベーションです。自信をもって箱根駅伝当日を迎え、最後に感謝を伝えらえるよう残りの期間を大切に過ごしていきます。

 拙い文章ではありましたが、ご一読いただきありがとうございました。今年度も箱根駅伝はコロナウイルスと隣りあわせの形での開催となります。皆様にはご迷惑をおかけしますが、遠く離れていても思いは必ず選手達へ届きますので、どうぞTVを通しての熱いご声援をよろしくお願い致します。