駅伝ひろば箱根駅伝を支える学生たちが書いてます

No.311

第6回「俯瞰的な視点」

中山 葉音

 駅伝ひろばをご覧の皆様、こんにちは!

 関東学生陸上競技連盟で常任幹事として活動しております、上智大学法学部国際関係法学科3年の中山葉音と申します。

 関東学連の学連幹事になったばかりで、右も左もわからなかった昨年の関東インカレから、あっという間に1年半が過ぎようとしています。このまますぐに4年生になり、そして大学生活が終わってしまうと思うと、一日一日を大切に過ごそうと思わされます。関東学連での活動を通して出会ったすべての方々への感謝の気持ちを胸に、あと1年と少しの間の活動に全力で取り組みたいと思います。

 私は、何をするにも、俯瞰的な視点が必要不可欠であると考えています。人はどうしても目の前の課題に注力しがちですが、先を見通すこと、全体を把握すること、他者の視点になって考えること、他の事柄との比較をすることなど、自分の立場とは一歩離れて、全体を多方面からくまなく検討することで初めて本質に気付くことができ、そして納得のいく成果が手に入れられるのではないでしょうか。

 私は今年、大会や遠征の派遣を通して、「学連幹事」として関わる大会とは、異なる視点で競技会についての考えを得ることができました。

 6月には関東学連の事業の一環として日本選手権に研修に行き、自分が普段担当している競技進行やアナウンスを一歩離れた視点から見ることで、自分がどのような指示をしたら他の運営に携わる人は動きやすくなるのか、また選手のためになるのか、改めて考えることができました。また、当日インタビューを担当していた陸協の先生にお話を伺う機会もあり、その中で意識していることなどを教えていただき、全体の競技進行にもつながるヒントを得ることができました。改めて俯瞰的に物事を見ることの必要性を感じさせられました。

 7月には、昨年度に引き続きヨーロッパ遠征に帯同しました。海外渡航の規制も撤廃され、また、今回は4ブロック合同での遠征となったことで、前回とは違った遠征となりました。遠征中に帯同していただいたコーチと様々なお話をする中で、視点の違う意見や鋭い指摘をいただき、自分の視野の狭さを痛感しました。また海外の大会の盛り上がりは素晴らしく、各々が好きな競技を好きな場所やタイミングで応援しているのにもかかわらず、それは対校戦の集団応援に勝るとも劣らないものでした。一緒に競技を観戦していた遠征参加選手の「日本でもこのくらい盛り上がったらテンションが上がる」という言葉は忘れられません。自分たちが上手くいったと満足しても、それはあくまでも運営視点であり、参加する選手やチーム関係者、そして観客が満足する大会を作るためには、あらゆる視点で大会を考える必要があります。改めてその事実に気付かされた今回の遠征は、私にとって大きな学びとなりました。遠征を支えてくれた関東学連の先生方をはじめ、帯同してくださったコーチ、そしてなにより参加してくださった選手に感謝し、この遠征で学んだことを今後の関東学連の活動に繋げることでお返ししたいと思います。

 また普段の活動では、加盟校の公認競技会関連の業務の担当をしています。学連幹事が主体となって作る大会と、各大学の主務が主体となって作る大会は、主体となる人物、そしてその人が日常的に関わる人物の視点が異なるため、加盟校主催の大会は学連幹事である私が思いつかないような工夫が凝らされています。それを目の当たりにすると、自分が固定観念に囚われていることに改めて気付かされます。そのため俯瞰的な視点を忘れず、そのように感じたことも今後の活動の糧としていきたいです。

 さて箱根駅伝当日は小田原中継所を担当する予定です。100回の歴史を重ねた箱根駅伝。その節目の大会に関わることができることを、光栄に感じ、身が引き締まる思いです。選手、マネージャー、大学関係者、OBOG、応援してくださる人など、様々な立場の人が箱根駅伝に対してそれぞれ大きな思いを持っています。全員の思いを受け取り、理解し、当日までの準備に繋げていきます。

 箱根駅伝当日は、出場する全選手への温かい応援をどうぞよろしくお願いいたします。