箱根駅伝

駅伝ひろば箱根駅伝を支える学生たちが書いてます

No.394

第17回「感謝」

服部 真琴

駅伝ひろばをご覧の皆さま、こんにちは。一般社団法人関東学生陸上競技連盟で常任幹事を務めております、明治大学2年の服部真琴です。

学連幹事として活動を始めてから早くも1年半が経ち、成長したかと思えば新しい壁が見えてくる、そんな忙しくも充実した日々を過ごしております。

この1年間で担当した主な業務は、第104回関東学生陸上競技対校選手権大会と関東学生夏季網走記録挑戦競技会での記録担当、第31回関東大学女子駅伝対校選手権大会(以下、女子駅伝)での大会担当です。これらを通して私が感じたことが2つあります。

ひとつ目は、「例年通り」が通用しないことへの厳しさです。私はずっと引き継ぎされたことを同じようにすることに必死で、それ以上を求める力が不足していました。しかし、少し顔を上げるとそこには、昨年の大会より良い大会にするため、深く考え、意見を出し合っている先輩や同期の姿がありました。そのことに気づいてから、一つひとつの物事に対して、なんのためにこの業務や運用方法があるのか、もっと良くすることはできないかと考えるようになりました。実際に女子駅伝では、大会全体の運用として、大会幕とバナーの設置箇所や、選手待機場所、給水方法などを変更しました。関係各所との調整が難しく、意見が食い違い、「変化」への厳しさとその決断の重さに悩む日々も多くありましたが、より選手が良い記録を出せる環境を作るため、時には同期や先輩に助けをもらいながらも、何とかやり遂げることができました。そんな思いを込めながら迎えた大会当日は、結果として全区間で区間記録が更新され、優勝した大東文化大学と準優勝の城西大学は総合記録でも大会新記録を樹立しました。そのことが分かった瞬間、今まで努力してきたことが報われたように感じ、非常に嬉しかったです。輝かしく走り抜けてくれた選手に最大限の尊敬と感謝を送ります。

2つ目は、人の温かさです。特に同期には私の気持ちが沈んでしまった時、何度も救い上げてもらいました。事務所で帰る前に「頑張ってね」と声をかけてくれる同期、私が事務所にいない間に「ドーナツ、ロッカーに入れてあるから食べてね」と連絡をくれ、優しさをプレゼントしてくれる同期、事務所で顔を合わせれば「今日もお互いいるね、でも絶対早めに業務終わらせて帰るから」と宣言をしたにもかかわらず、気づけば予定時間を過ぎても事務所に残っていて思わず笑い合ってしまう同期、自分にとって、また相手にとって何が正解なのか見失い、なかなか言葉にできない私の話を最後まで聞き、「間違ってないよ、大丈夫」と強く支えてくれた同期…言い出したらきりがありません。どんな時でも同期がいるから頑張れる、楽しむことができる、そう思わせてくれる同期に出会うことができ、私は幸せ者だと思います。他にも、私の足りない部分を助け、成長の機会を与えてくれる先輩方や、大会運営を通して関わった大人の方々もたくさんいます。この1年たくさんの人に迷惑をかけ、たくさんの人に助けてもらいました。その分、今後は私が多くの人を支え助けられる人になりたいと強く感じました。

さて、箱根駅伝当日、私は鶴見中継所を担当する予定です。人と人との繋がりを大切にしながら、選手や応援してくださる皆さまにとって、素晴らしい2日間となるよう、尽力して参ります。現地で、テレビの前で、選手たちへの温かい応援を、どうぞよろしくお願いいたします。

次回は、同じ記録担当として日々活動している同期の浮穴です。彼を一言でいうと「自由人」です。時にその奔放さに驚かされ、振り回されることも多くありますが、心が優しく素直であり、気づけば周囲を笑顔にしている、そんな不思議な力を持っているように感じます。これまで一緒に成長してきましたが、私が1番信用できない相手であり、心から信頼できる相手です。そんな彼の駅伝ひろばもぜひ、お楽しみください。