駅伝ひろば箱根駅伝を支える学生たちが書いてます

No.360

第18回「『楽しい』を大切に」

安野 詩織

 駅伝ひろばをご覧の皆様、こんにちは。一般社団法人関東学生陸上競技連盟で常任幹事を務めております、駒澤大学法学部政治学科2年の安野詩織と申します。

 私が学連幹事として活動を始めてから早くも1年半が経ち、この間にたくさんの経験をさせていただきました。どの業務も楽しく、自分が成長していることを日々実感することができています。

 私が担当した業務の1つに、今年2月に行われた宇都宮投てき合宿があります。地元である宇都宮で行われることから立候補し、1年生ながら合宿の担当を務めさせていただきました。陸上競技の経験も知識もない私にとって、投てき合宿の帯同に当たり準備を進めることは簡単ではありませんでしたが、担当の先生や先輩方の力をお借りしながら選手が安全に練習できる環境づくりに努め、合宿を成功させることができました。合宿初日は緊張のあまり選手や先生方に迷惑や心配をかけることもありましたが、終了するころには選手とも打ち解け、とても楽しい思い出となりました。この合宿で、単に事務作業をこなす能力を身に付けるだけでなく、選手と交流することで技術向上のための努力を肌で感じることができ、そんな選手のために、より一層大会運営に力を入れたいと考えるようになりました。

 また、今年7月に行われた関東学生網走夏季記録挑戦競技会では、大会担当を務めました。前年の同大会を経験していないこと、北海道で開催されるため現地下見ができないことなど、他の大会にはない難しさがあります。多くの場面で先輩に助けていただきながら準備を進めていく日々は、申し訳なさと自分の無力さに押し潰されそうになりましたが、この大会を担当させていただいた以上、全力で楽しんで業務に取り組むべきだと気持ちを切り替えました。そして、参加選手の半数が自己記録を更新したことを知った時には、自分の努力が選手の成長の一部に貢献できたことに、心から嬉しく思いました。

 本連盟主催の大会では選手の招集などをする競技者係を務めており、選手と接する機会も多くあります。大会で活躍する選手の役に立ちたいという思いで学連幹事になりましたが、私の経験1つひとつが微力ながらも選手の手助けになっていると思うと、これほど感慨深いものはありません。学連幹事としての活動にここまでの楽しさを感じられることに、喜びと誇りを持っています。

 さて、私は箱根駅伝当日、戸塚中継所を担当する予定です。100回という節目を迎え、今大会は新たな歴史のスタートとなります。これまで紡がれてきた歴史に感謝するとともに、これから紡がれていく歴史の第一歩に携わることができる喜びを胸に、大会当日まで全力で業務に取り組みたいと思います。当日はぜひ、箱根路を駆ける選手へ温かいご声援をお送りいただけますと幸いです。拙い文章ではございましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。