駅伝ひろば箱根駅伝を支える学生たちが書いてます

No.331

第26回「挑戦の年」

雨宮 倫可

 駅伝ひろばをご覧の皆さま、こんにちは!

 関東学生陸上競技連盟で常任幹事を務めております、順天堂大学2年の雨宮倫可です。

 初めて駅伝ひろばを執筆させていただいてから既に1年が経過したこと、また、2023年が残り数日で終わろうとしていることに、驚きを隠せずにおります。

 さて、前回の駅伝ひろばでは、私が学連幹事として活動するきっかけについて書きましたが、今回は私が今年1年間大切にしてきたモットーについて、執筆させていただこうと思います。

 タイトルである「挑戦の年」は、私が今年の始めに掲げたモットーとなります。自らさまざまな業務にチャレンジし、学連幹事としての活動を充実させた年にするぞ、と意気込んで今年1年をスタートさせました。右も左も分からなかった昨年度に比べて分かることが増え、活動の幅が広がったことや、失敗してもサポートをしてくださる先輩方がいることが私の背中を押し、さまざまな挑戦をすることができました。

 3月に行った2週間の沖縄跳躍合宿への帯同や、大会プログラム・ポスターの制作など、色々な業務にチャレンジさせていただきましたが、中でも大会担当を務めた「10000m記録挑戦競技会」は、私の20年間の人生の中でも五本の指に入るような、大きな挑戦であったと感じております。

 「あの大きな国立競技場で開催する大会を担当できるなんて、なんてかっこいいのだろう!」

 そんな単純な動機で志願した10000m記録挑戦競技会の大会担当でしたが、私が憧れた国立競技場の大きさは、想像以上に私の頭を悩ませるものでした。

 国立競技場といえば7万人弱を動員することができ、地上5階から地下2階と多くの階層から成る、日本でも有数の規模を誇る競技場ですが、大会担当としての業務は、まずこの競技場の構造を知るところから始まりました。思い返してみると、この業務に一番苦労したのではないかと感じます。何度も何度も国立競技場に出向いては、職員の方と共に競技場内を歩き回り、選手や観客の動線、使用するフロアやエレベーターの検討、会場内の規制などを熟考しました。国立競技場の図面とにらめっこをした日々は、無事に大会が開催できるのかと毎日不安でいっぱいでした。しかし、大会担当として奮闘したこの期間は、学連幹事としての活動を始めてから一番と言っても過言でないほど充実し、ワクワクで溢れた期間でもありました。

 大会当日は雲ひとつない秋晴れとなり、選手たちの姿はとても熱くエネルギーに溢れていました。出場選手が懸命にペーサーライトを追い、記録に挑戦する姿を見て、言葉では言い表せない達成感で胸がいっぱいになりました。出場人数の半数近くの選手が自己記録を更新していたこと、また、大会後に「たくさん準備を重ねてきたことが伝わる大会だった」と、先輩方や先生方、競技会を担当してくださった国立競技場の方からお褒めの言葉をいただけたことが嬉しく、今でも忘れられません。この「挑戦」は、今後の自分を奮い立たせる財産となりました。

 箱根駅伝当日は、鶴見中継所を担当する予定です。第100回という記念すべき大会に携われることに感謝をし、中継所に飛び込んでくる選手たちや、たすき渡しをするべく次の中継所に向けて走り出す選手たちの「挑戦」を後押しできるよう、当日まで気を引き締めて準備を行ってまいります。

 最後までお読みいただきありがとうございました。大会当日には、新春の箱根路を駆け抜ける選手への応援を、どうぞよろしくお願いいたします。